2012年3月10日土曜日

ジョブハントのカルチャーショック

今所属している研究室にはカナダからの留学生(ポスドク)、ベルティナがいます。最近互いに次の仕事を探していることもあり、職場環境や職探しの状況についてよく話します。ここではいつもカルチャーショック。




履歴書の内容
履歴書を見せると、まず写真が載ってることに大爆笑。その他年齢や性別、健康状態、配偶者のアリナシなどの項目は驚きモノらしい。どうやら欧米では能力以外の要素を理由にした採否の決定は良識として認められていないようです。なので応募要項にも「〜歳まで」なんてのはナシ。写真などもってのほか。自分の属性を全く気にせずに能力だけをアピールできる点はまさに多民族国家。

勤務年数の長さ
日本では大きめの会社だと5年10年務める人もたくさんいる、というような話でやっぱり驚く。彼女の周囲では平均2〜3年、長くても5年で次のポジションを求めて移動を繰り返すスタイルが一般的とのこと。みんな2〜3年で辞めてしまうなら若手に仕事を教える人間や熟達したベテランが存在しないんじゃ?と思いきや基本同じ業種、職種での移動であるため影響はナシだと。(ホントかな?) なので熟練のマネージャー職が50代で会社を変わるのだって全くノーマルだそうです。ただし職種や業種を変えるキャリアチェンジになるとハードルはかなり上がるとか。

学生の就職活動
新卒一斉採用の問題がよく取り上げられる日本に対して一斉採用のない北米、よく聞くように多くの学生がインターンのプログラムを利用して仕事を探しているらしいです。短期間に複数の職能をチェックできる点でお互いにとってとてもメリットのあるシステム。ただし、インターンから漏れてしまう学生は一切の経験なしに他の多くの候補者たち戦わなければならないため、その後の活動が非常に困難になるということ。(「22歳なんたら問題」みたいな名前がついていた)これに比べると日本の一斉採用ってのは学生にとっては特別に与えられたアドバンテージなわけですが、ここが全てだと思われてる点に大きな問題がある気がします。

休暇の消化について
日本であれば、ある人が休暇をとると仕事が回らなくなるため制度が機能しないような話もよく聞きますが、彼女の経験ではこれもありえないと。理由は2つ。ひとつは、休暇は、その人がいなくても会社は回るという事をテストする貴重な機会であるということ。もうひとつは休暇によってモチベーションを保たなければその人材は流出するから。どちらも会社間の人材移動が激しい欧米ならではです。


LinkedInや企業のレビューサイトの成長を見てると、今後日本でも会社間の壁がなくなり、人材同士の繋がりや移動の方が活発になる気がしてきます。家族的な組織形態を重視する日本でLinkedInは受け入れられないんじゃない?みたいな話もあるけど、これは関係ないと思う。ソーシャルに集まる情報は個人の集まりであって、経営者は立ち入れない領域だから。

LinkedIn http://www.linkedin.com/home
Vorkers(企業のレビューサイト) http://www.vorkers.com/
転職会議(企業のレビューサイト) http://jobtalk.jp/

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